君に刃を向けたら

私を殺したいほど憎んでいるはずなのに

彼は殺さなかった

父は刑務所に入り、母は売られた

姉だけは彼に助けられた

調教と称して私を監視している

彼との関係も知っている

彼の想いだって、昔から知っていた

姉が逃れた罪が私にやって来るのは分かっていた

怒りに任せた言葉が私の心を貫いた瞬間を今も覚えている

彼にとって私は憎むべき相手で、私にとって彼は懺悔するべき相手


だから、彼は知らなくていい

あの時、姉が父に協力していたこと

姉が彼を嫌っていること

何も知らなくていい

何も、分からなくていい


彼が見逃している真実なんて


彼が後悔しないように、私は懺悔する

彼のために

私のために