君に刃を向けたら

信頼なんてもの、私達の間にはない

ただ私は飼われているだけ


彼の両親を見殺しにした父を彼が恨むのは当然だった

父の娘でもある私を恨むのも、当然だった

彼が私達家族を許すわけが無かった

姉を除いては


「奏(かなで)」

そう呼んでいた遠い昔

まだ私と彼が幼馴染みとしていられた頃

彼の隣で歩いていられた


なのに今では従順に動く人形

いつからかこんな生活にも慣れた

もう戻ることは無いと確信してしまうと、全てがどうでも良くなった

期待は絶望に変わり望みはシャボン玉のように弾けて消えた