君に刃を向けたら

「ん…」


つむじが少し動く


徐々につむじは上の方へと向いていき、顔が見えた


「おはよう」


つむじの持ち主は優しく微笑み

私の髪に触れた


長くなった髪

もう随分と切っていない


昔の彼が長い黒髪が好きだったからだろうか

それとも

切る余裕すら無かったのか


どちらかなのかも分からないが

私は髪を切れずにいた


その髪を指で弄ぶのは他の誰でもない彼だった