君に刃を向けたら


姉が消えた


いつ、どこで、どうやって消えたのかも分からない


その騒ぎを聞いたのはその日1人目のターゲットを殺し終わった後だった


その日は朝から雲が空を覆うどんよりとした天気だった


もう季節を感じ取る気持ちも無かったけれど


ジメジメとした梅雨入りの憂鬱な気配を含む空気が印象に残っている


任務が終わり報告をして部屋に戻る最中、複数の人が彼の部屋に入っていった


すると普段は余程の事がない限りその部屋から彼が出てきた


そして私の肩を強く引き寄せ、振り向かせた

「夏目をどこにやった」


彼の言葉に理解が出来ず、固まる私


やっとの事で出た言葉は

「っ…何のことでしょうか」


疑われても仕方がない返事だった