のそり、のそりと、だけど華麗にそして儚く私に近づいてくる大狐。 そして語りかける。 「生きる術を、其方に与えん。引き換えに、其方の名前を貰おう。それが私の糧になる。」 ずっと、思っていたことがある。 この世界は不毛、そして、 底もなく美しい。