ハルは雑誌の取材があり、今日の練習は途中で抜けて行った。
終わり次第、約束の店で待ち合わせをする事になっている。

特に予定のない連中に「飲みに行こうぜ～」と絡まれたが、アキはそんな誘いを何とかかわそうと焦っていた。

クリスマスの過ごし方に拘るつもりは全然ないし、いつもみたいに仲間達と飲んで騒ぐのでも別に良かった。
けれど、ハルが柄にもなくクリスマス・ディナーをしようなんて言うから約束したものの、二人だけで抜けることを正直に言うのも何だか気が引けて、うやむやに誤魔化した。

「何だよ〜アキ。もしかして女子とクリスマス・デートとか？！」

「えっ？！アキさん、そんな相手いたんすか？」

「んなの、いねぇよ！ハルと一緒の仕事で世話になった人達に前から誘われてたんだよ」

「どうだかな〜。もう写真、撮られないようにな！
『日浦陽人、熱愛発覚！』なんてまた大騒ぎになるぞ」