しかし林業も外国産の木材が売れるようになると、国内産の木材は価格が高くて売れなくなり、林業を営む人も居なくなったのです。


残ったのは漁をする人たちと、農業をする人たちだけです。


戸数にすると三十戸くらいで、人口は百五十人くらいになりました。


谷ぞいに住む漁をする人たちと、山の斜面で農業をする人たちは、農業をしている人たちの方が多かったのですが、たがいに助け合って生活をしていました。


そして、この頃から、どこの家でも猫を飼う家が増えてきたのです。


泥棒とかは居ないし、町からは遠く離れているので来ることもない猫谷部落には、番犬とか必要もないので、犬を飼う家はありません。


三世代住宅が多くて、大人たちが働いている間に、子供が家で遊べるようにと飼い始めたのです。