そこには藤森さんがいた。


大きなトラックの下敷きになっていたのだ。


藤森さんはそれでも笑っている。


「悪い人には罰をあたえないとね」


藤森さんは楽しそうにそう言った。


それはうちが1年前に言った言葉だった。


うちは全身の力が抜けて、その場で倒れる。


手から血がたくさんでてる。


それよりも背中から痛みを感じた。


背中に手をあててみると、何かがささっていた。


ナイフだ。


いつさされたのだろう。


全く気が付かなかった。


とにかくどこか人のいるところまでいこう。


そう思って立ち上がろうとしたけど、立てなかった。


意識が遠のいていくのがわかる。


思っているより深くナイフはささっていたみたいだ。