うちは窓に手をあてる。 自分の手がどうなるか、わかってはいるけど…。 殺されるよりはましだ。 うちは思いっきり窓を殴り続けた。 手に激痛がはしる。 真っ赤に染まった手。 窓は簡単に割れてしまった。 どうしてもっと早く気が付かなかったのだろう。 そうすればみんな殺されることはなかった。 その小さな窓からうちは体を出して外に逃げる。 藤森さんも窓をくぐりぬけてきた。