化物と少女



「お兄さん、どこへ行ってしまうの?」



「……………」



「お兄さん!行かないで…」




「ユーラス、行くぞ!」



ユーラスと呼ばれた少年は、

兵士に連れられ、白い家を出る。






「君といた日々は楽しかったよ

お兄さんは今からもっと広い世界に出て、

君にもっと美しい花を見せたあげるよ

だから、泣かずに待っててよ」








彼は最後に優しく微笑んだ。