別れるための２８日の蜜日

でも私を迎えに来た律人はやたらとご機嫌で、私のドレス姿を褒めながらいそいそとエスコートしてくれた。



連れて行かれたシャインホテルのバンケットルームは予想以上の眩さで、そこに集う人達は更にキラキラしていた。
タキシードを着た男性とドレスや着物で着飾った女性達。律人がプレゼントしてくれたドレスは私には分不相応じゃない！？ってくらいの高級品だったけど、やっぱり中身が大事なのかなぁ。

律人ももちろんタキシードでドレスアップしてて、凄く素敵だ。惚れた欲目もあるんだろうけど、それだけじゃない。

転職する前とは全然違う、自信に満ちた笑顔とオーラ。堂々としてて違う人みたいだ。

親戚だろう中年男性に呼ばれて行く律人を壁際で眺めながら、シャンパンを一口飲む。

集まりという名のパーティーは１００名近い出席者で賑わっているから、私が壁際でぼんやりしてたって目立つ事はない。

律人以外には知り合いもいない私は会話を楽しむ事も出来ないし、予定通り食欲を満たそうと
壁際を移動してブッフェ料理がある方に行った。