窓際一番後ろの私から見て対称方向の席に座る彼。


廊下側の席の一番後。


名簿では近くなることのない彼の苗字。


このクラスになって二度目の夏が訪れようとしているけど、私は彼と話したことがほとんどない。


だから、彼に対しての情報は人から聞いたものだけ。

私に関係ないからどうでもいいって思っていたのに。





ねぇ、わたぬきしぐれさん。

君は何でそんな顔していたの?
誤魔化すように笑ったのだって気がついてるんだからね。