見た目だけで言っても人より頭一個分抜きんでている彼は、学年トップクラスの秀才。


そういえば、入学式で新入生代表挨拶をしていた。


新入生の女の子は、目の覚めるような美声だった、と口々に言っていたけど、あいにく記憶にない。


地元では有名な進学校の我が校は生徒の意欲向上のため掲示板にテストの順位を張り出す。


不動の一位。


それが彼。



特進コースの国公立狙いの子たちが、妥当綿貫を掲げているそうだ。

まだそれは一度も成し遂げられていないけど。



先生や同級生に褒められても、困ったように柔らかい声音と口調でふんわりと笑う。



その笑顔すら甘いんだからあんたは一体なんなんだと言いたくなる。