「そんなひおりんに朗報が」
私の手を握ったり離したりしながら宗護が含み笑いをした。
こういう笑い方をするとき彼は大体とんでもないことを言い出す。
「俺と図書当番変わろうよ」
「人に物を頼むときはおねがいしますでしょうが」
「ちがうんだなー、これは」
むふふ、含み笑いをする宗護に、またしょうもないこと考えてるな、と長年のカンが告げている。
提案をする前にここから逃げようか?
…むりだ、もう横はいつの間にか擦り寄ってきた光希にかためられた。
手は繋がれたまま。
勇魚は興味なさそうにシフォンケーキを食べている。

