甘々でふわふわじゃない彼

中身のほぼない紙パックに息を吹き込んでパカパカと遊んでいた宗護が、何かを思い出したように私を見た。


「俺助けてもらったことある」


「へぇ?」


接点があったのは、意外にも隣のクラスの宗護とは。不思議な話。


ズゴゴと音を立てて紙パックのお茶を飲み干すと口を開いた。



「俺最近階段から落ちてさ、まぁ、三段くらいだけど。ノートばら撒いちゃって。あーやらかしたって思ったわけ。そうしたら綿貫が一緒に拾ってくれて」