カサリ 「…っえ?」 私を現実に引き戻したのは、カーテンをあおった風だった。 お日様の匂いはダニの死骸の臭いと言ったやつは誰だったかな。 カーテンが鼻先をかすめて、嘘が本当がわからない例のかおりを振りまいた。 幸せの香り、とうたっていた洗剤の広告もあったような気がする。 その風は図鑑をめくり、1枚の紙を机に現した。