完全に気を抜いていた、どこだろう、わかんない。
あわあわと教科書をめくると先生から一言。
「今日の授業は教科書使わないぞ」
ヘラっと笑うと先生も微笑み返してくれた。
…わぁい、先生いじわるぅい…
引きつる笑顔と震える拳を力技で抑え、みんなの笑う声をBGMに席に座った。
なんだよ、先生だってムダ話してたくせに…自分の話聞いてくれなかったからって拗ねないでよ。
あんたのせいで当てられたんだぞ。
もう当てられないように、さりげなく窓から勇魚を見ると女子に囲まれていて、青春を感じた。
なんで私ばっかりこんな目に…
私以外も面白くなさそうに聞いているのに、一部だけ例外がいた。

