「嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ」
彼女が呪いの言葉のように繰り返すのを俺は聞いた。
笑いの含む響きに、俺は動こうとしなかった。
___何の小芝居かと鼻で笑っていたのだ。
だがしばらく固まった後はそれ以上何も語らなかった。
その様子を静かに観賞する。
部屋を観察してドアのぶを無駄に回し、それから急いで窓に駆け寄る彼女。
隙だらけ。
まあ、油断させといて後で何かするつもりなのかもしれなかったが。
もう少し観賞したい気持ちを胸にしまい、王との約束のために俺は彼女に言った。
大体の夫人が落ちるその声で。
「お目覚めのようで、レヴィア様」
そして予想通りその声に固まった彼女。
なんだか呆気無さすぎて腹が立つ。
お前もその辺の女と同じか?
非女の娘のシュティ・レヴィアなんだから、もっと張り合いのある奴なんだろ?
小芝居なんかやめて、その憎き本性を見せろよ___。
そうしたら、それを俺が利用してやる。



