浅葱色の妖


あ、そうだ。



新選組がどんな組織なのか、この人に聞いたらいいんじゃないだろうか。



「新選組って一体なんなんですか?」



私が尋ねると、お春さんは一瞬固まった。



「あんた、新選組がなんなのかも知らずに雇ってもらったのかい?」



「ええ、まあ…」



普通に考えてみれば、確かに私はおかしなことをしている。



なんだかわからないところに飛び込んでいって仕事をくださいだなんて言ったのだから。



「すごい度胸だねえ。あたし、あんた好きだよ」



「あ、ありがとうございます」



突然の言葉に少し嬉しい気持ちもあるけど、そんなことよりも早く説明して欲しいと言う気持ちがはやる。


「私も詳しいことはよくわかんないんだけどねぇ、尊皇攘夷派の志士とかから京の街を守っているみたいよ」



「他には何かないんですか?」



京の街を守っているというのは、藤堂さんに聞いた気もする。



尊皇攘夷派の志士からっていうのは初めて聞いた。



人間のことはよくわからないから、尊皇攘夷派の志士って言うのはよくわからないけど。



「う〜ん…。夜に見回りしたりしてるけどなぁ。やっぱりあんまりわからへんわぁ」



夜に見回り…。



だから私はあの時土方さんに拾われたのか。



納得。



「ああ、こんなのはどうや。新選組の中で誰が偉いか、とか」



「あっ、はい!というか、何でもいいです!知ってること全部教えてください!」



どんなことだって知っていた方が有利だ。



「ここにいる中で一番偉いのは局長、近藤勇」



「え?」



一瞬その言葉に驚く。



さっき私が握手した、あの豪快そうな近藤さん?


あの人、偉い人だったのか…。



まあ、あの人にはついていこうという気になる。



それに、土方さんも近藤さんの言うことには割と素直に従っていたし。