私が言葉の続きを待っていると、怪しげな男の人が私達の目の前を歩いて行った。
服装が特別怪しげなわけじゃない。
チラチラと後ろを振り返り、辺りを警戒しながらこそこそと歩いている。
いかにも怪しげである。
「おい」
どこからともなく冷たい声が響いた。
聞き覚えのある声の聞こえた方向を見ると、そこには土方さんが鬼のような形相で怪しげな男をにらんでいた。
その姿を見た男は、力なくその場に座り込んでしまった。
街に来て今まで土方さんを一度も見なかったのに、一体どこから出てきたのだろう。
「何やってんだ?お前」
そう聞かれても、彼は口を開こうともせずうつむくばかりである。
土方さんは腕組みをしてイライラとした表情で男を見下ろす。
けれど男は顔も上げない。

