浅葱色の妖




屯所内をぐるりと一周したけれど、藤堂さんには出会えなかった。



やっぱり遊郭に行っているんだろう。



遊郭へ乗り込むのは気がひけるから、遊郭の前で藤堂さんが出てくるのを待つことにした。



玄関へ向かうと、向こうから人が歩いてくるのが見えた。



藤堂さんだ。



やけにトボトボと歩いているけど、どうしたんだろう。



というか、偶然会えるなんて、私は運がいいかもしれない。



「藤堂さん!」



私が声をかけると、藤堂さんはハッと顔をあげた。



「葵ちゃん!」



それもなんだか嬉しそうに。



さっきまでトボトボ歩いてなかったか、あんた。



「聞いてくださいよ〜、女の子達土方さんはどこだって言ってあんまり構ってくれなかったんですよ〜?」



知るかそんなこと!



やっぱり遊郭に行ってたのか。



それにしても土方さんって本当に人気があるんだ…。



どこがいいんだか私にはわからないけど。



「で、僕に何か用ですか?」



そんなことを言う藤堂さんはあまり落ち込んでいないようで、にこにこと笑った。



「あの。新選組の謎って知ってます?」