「……おい、他のやつらに…報告しに行くぞ」


 グイッと腕をひかれ、立たされる。


 灰と、焼死体をせめて埋葬したかったけれど…でも今、それよりもしなければならないことがある。


 だから、せめて。


 ツカツカと足音を立てて、灰を一握り掴んでから、大地君の焼け焦げた手をにぎった。



「後で、また来ます」


 それだけ言って、扉を閉めた。



 冥福を、まだ整理とついていない心の隅で願いながら。