何事だと思って部屋の中を覗き込んだら、まず見えたのは炎。
炎と、その中でたたずんでいる女————カヤコさん。
「え?…う…嘘だろ……」
信じられないというように、カヤコさんを凝視したまま動かない大地君。
僕も、目の前でたたずむ人を見つめたまま、声を失った。
「……!結記…!!離れろ!!」
そんな声に反応して、さっと後ろに数歩下がる。
それとほとんど同じ瞬間。
「ギャッ、ギャァアアアアァァ!!」
何かが燃えている焦げ臭いにおいと、すぐ近くから悲鳴が聞こえる。
ハッとカヤコさんじゃなくて、大地君の方に視線を移す。
「リ、リンヤ君!大地君が…も、燃えちゃいます…!」


