せめてものバリケードとして、廊下に置いてあった台車をドアの前に置いたけれど、あんまり意味はなさそう。 床を蹴る音が4つ、廊下に響く。 「ありがとうございます」 逃げてる途中、言い忘れていたことを言った。…夢中過ぎて、お礼を言ってなかったのだ。 すると、 「別に」 と、ぶっきらぼうな答えを返す。 3階は危ないな、と思って、5階のみんなの自室があるところに駆け込んだ。 その中でも1番奥の部屋にあるリンヤ君の部屋に鞠さんと彩音さん、僕はドタドタと入り込む。