その言葉を聞いて、ゾクリと悪寒が走った。

 もしそれが1番いい方法ならば…誰が、誰を犠牲者として選ぶのだろう。


 どうしようもない不安が心の中を駆け巡るとともに、自分はいったい誰を選ぶのだろう、と考える。


 
 死んでいい人を選ぶなんて、人間がするべきことじゃないはずなのに…でも、そうしなきゃ、自分が死ぬのかもしれないと思うと、何とも言えなかった。



 できるだけ、仲良くしようなんて…そんなのこんな状況じゃあ…、夢物語みたいなものじゃないか。



 ぐっと拳を握りしめる。


「臆することなどありません。あなた方はすでに選ばれた人たちなのです。死は生への道なのですから」



 決して大きな声じゃないのに、なんていう威圧感。


 ぺこりと頭を下げて、出て行こうとする。


 扉が閉まる直前、クラハシさんは言った。



「15分後、ゲームを開始します。素敵なプレイを待っていますよ。それでは」


 パタン、と扉が閉まった。だけど、誰も言葉をすぐに発せなかった。