そう言いながらさっさとテーブルと割れたポットとカップの欠片を拾い始める。


 とり切れない細かな破片を取るために、掃除機を持ってきて、かけ始めた。


 冷たく切り離された大地君は真っ青な顔をして、まくしたてる。


「…な、なんでだよ!金はやるって言ってんだろ!こいつらはどうなってもいいから、俺様だけは解放しやがれ!!!まじでお前、いい加減に————」


「いい加減にすんのはあんただよ!!」


 ぴしゃりと言い放ったのは、ものすごい鬼の形相で睨んだ冬李さん。


 深く座っていたソファを立って、ツカツカと大地君に詰め寄った。



「聞いてみたら、アンタ本当にムカつく!金の力で何とかなると思ったら大間違いだって分かんないわけ!?自分が1番えらいみたいな言いぐさして、自分だけ助かろうなんて、そういうのマジで敵つくるからな!!」



 言いたいことを言いきったのか、もうひと睨みしてから、さっきまで座っていた場所に戻って、深く腰掛けた。


 大地君は、舌打ちをしたけれど敵はあまり作りたくないのか分からないけど黙り込んだ。



 そこで丁度掃除機をかけ終わったクラハシさんが、話を再開する。


「私はお金が欲しいわけではありません。ですがこのゲームは強制参加と申したはずです。そして…」



 そこで言葉を切ったのは、果たして意味があったのか分からないけれど、みんな何も言わず紡がれる言葉を待った。



「攻略方法は、1ステージにつき、犠牲者を1人だけ選んで出すべきです。それが、賢い考え方でございます」


 
 ピン、と空気が張り詰める。