「じゃあ、決まりだな。」



もう、なにも頭に入ってこない。



すると、わたしの下ろしてる髪が耳にかかったかと思うと



「なあ、聞いてんの?」



「ひゃあっ...!」




耳たぶに唇が触れて、低い声が頭を駆け巡った。



「ほんと、いい反応するよな、お前。」



満足そうに、わたしを眺めて、唇をペロッと舐める。



「な、なな、なにを...」



慌てるわたしをよそに、悪魔は囁いた。



「じゃあ、明日からよろしくな?
すずらんちゃん?」



「きゃっ!」



最後にまたふっと耳に息を吹きかけて、部屋を出ていった。



危険だ、危険すぎる...



これって...



こんなの...



「い、いやぁぁぁー!!!」




わたしの叫び声が響き渡ったのは言うまでもない。