***
「……綺麗だな」
「うん……」
最上階から見下ろした海にはライトアップされた豪華客船がゆっくりと漂っていて、私はコクンと頷いた。
「……仕事は?」
「東と会社泊まり込んで死ぬ気で仕上げた」
「そうなんだ……」
「ごめんな」
ドキンとして、私は翔矢を見上げた。
「幼馴染みでさ、由宇の事はなんでも分かってる気でいた」
翔矢が僅かに眼を細めて、私を眩しそうに見下ろした。
「覚えてたよ本当は。ホテルの話をした事。でもクリスマスじゃなくて誕生日のがいいと思って予約してたんだ。キャンセルしたけど」
「え」
「だって昔お前、クリスマス興味ないって言ってたし」
「そ、そんなの中学時代の話じゃん」
「『私は仏教徒だし弥勒菩薩が好き!』とか言うからさ」
み、弥勒菩薩は……今も好き。
赤面して俯くと、翔矢はクスッと笑った。
「プレゼントの事だけど、言い方悪くてごめんな。本当は指輪を贈りたかったんだけど、そんなの照れて言えねぇし、お前よく指輪のCMガン見してたからああ言えば伝わるかなって」
驚いて視線をあげると、照れまくっている翔矢の顔が眼に飛び込んできた。
「あんま、見んな」
……そうか、翔矢って……。
「……綺麗だな」
「うん……」
最上階から見下ろした海にはライトアップされた豪華客船がゆっくりと漂っていて、私はコクンと頷いた。
「……仕事は?」
「東と会社泊まり込んで死ぬ気で仕上げた」
「そうなんだ……」
「ごめんな」
ドキンとして、私は翔矢を見上げた。
「幼馴染みでさ、由宇の事はなんでも分かってる気でいた」
翔矢が僅かに眼を細めて、私を眩しそうに見下ろした。
「覚えてたよ本当は。ホテルの話をした事。でもクリスマスじゃなくて誕生日のがいいと思って予約してたんだ。キャンセルしたけど」
「え」
「だって昔お前、クリスマス興味ないって言ってたし」
「そ、そんなの中学時代の話じゃん」
「『私は仏教徒だし弥勒菩薩が好き!』とか言うからさ」
み、弥勒菩薩は……今も好き。
赤面して俯くと、翔矢はクスッと笑った。
「プレゼントの事だけど、言い方悪くてごめんな。本当は指輪を贈りたかったんだけど、そんなの照れて言えねぇし、お前よく指輪のCMガン見してたからああ言えば伝わるかなって」
驚いて視線をあげると、照れまくっている翔矢の顔が眼に飛び込んできた。
「あんま、見んな」
……そうか、翔矢って……。


