そんな私の様子に違和感を覚えたのか、理子は私の瞳を覗き込んだ後、再びニヤリと笑った。
「ふーん。じゃ、あなたの彼か私の待ち合わせ相手が来るまで二人で飲まない?」
冗談でしょ、悪酔いするわ。
私は浅い微笑みを浮かべると、スツールから立ち上がろうとした。
「悪いけど部屋に戻るわ」
「嘘なんでしょ、待ち合わせなんて」
ヒヤリとした。
何もかも見透かしたような理子の瞳が、まるで硝子玉みたいに光る。
その眼が私を嘲笑っているようで、すぐにでも逃げ出したかった。
「本当だとしても、どうせつまんない男なんでしょ」
……なんですって?
今ヒヤリとした身体が、急にカッと熱くなった。
翔矢が、つまらないですって?
やめてよ、つまらないのは翔矢じゃない。
つまらないのは……つまらないのは、私だ。
「謝ってよ」
声が震えた。
「翔矢はつまらなくなんかない!」
「やだ、大きな声出さないでよ」
その時、
「由宇、遅くなってごめん」
え…?
背後から聞きなれた声がして、私は思わず息を飲んだ。
「東さん」
「ふーん。じゃ、あなたの彼か私の待ち合わせ相手が来るまで二人で飲まない?」
冗談でしょ、悪酔いするわ。
私は浅い微笑みを浮かべると、スツールから立ち上がろうとした。
「悪いけど部屋に戻るわ」
「嘘なんでしょ、待ち合わせなんて」
ヒヤリとした。
何もかも見透かしたような理子の瞳が、まるで硝子玉みたいに光る。
その眼が私を嘲笑っているようで、すぐにでも逃げ出したかった。
「本当だとしても、どうせつまんない男なんでしょ」
……なんですって?
今ヒヤリとした身体が、急にカッと熱くなった。
翔矢が、つまらないですって?
やめてよ、つまらないのは翔矢じゃない。
つまらないのは……つまらないのは、私だ。
「謝ってよ」
声が震えた。
「翔矢はつまらなくなんかない!」
「やだ、大きな声出さないでよ」
その時、
「由宇、遅くなってごめん」
え…?
背後から聞きなれた声がして、私は思わず息を飲んだ。
「東さん」


