「手ぇ、放してよ…」 俊は私の右手首を握ったままだった。 「ごめん…ってかさ…」 嫌な予感… 「お前さ、無理しすぎなんだよッ!顔が泣きそうな顔してんじゃん!そんな顔、ゆーに見せるなよ!泣きたいならここで泣け!」 私に背を向けたまま喋る俊。 やっぱお兄ちゃんだ… キツイ口調だけど背中は優しい背中してるよ。 「ありがと…」 私は我慢できずに泣いてしまった。 俊は私が泣き終わるまで私に背を向けたまま待っていてくれた。 俊、ほんとありがとね。