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「ん・・・」




私は目を開けた。





「まぶし・・・」




カーテンの隙間から、朝日が差し込んでくる。





・・・朝日???





え、朝日!?





て、ことは朝、だよね??





うっそん!!





「うぇぇ!?朝!?」





私は飛び起きた。





待って、昨日夜ご飯食べて、お母さんに直斗が好きなのバレて恥ずかしくなって部屋きたよね?





・・・そのあとどうしたっけ??





まさかそのまま寝た??




嘘でしょ!?




てか、今何時!?




「・・・10時!!??」




え、待って待って待って。





直斗との約束って・・・。





「11時半じゃん。・・・間に合わない!!!」





私は今までにないくらいの速さで準備を始めた。





ダダダッと階段を駆け下りる。





「あら、寝坊したの?ふふっ、折角のデートなのに〜♡」





お母さんがまた、いたずらっ子のように笑う。





でもそんなの気にしてられない。





「お母さんおはよう!!い、行ってきまーす!!」






「あっ・・・、遥香待って」






ドアを乱暴に開けた私の腕を、お母さんが掴んだ。





「これ、プレゼントよ。卒業おめでとう。」





お母さんは、私の首元に何かを付けた。





「かわいい・・・」





それは、ピンク色のパズルピースの形をしたものだった。





パズルピースには、なにか英語で文字が書いてあるけれど、途中で切れていて読むことは出来なかった。






「遥香、時間いいの?」






私がネックレスの英文の先を考えていると、お母さんが首を傾げながらそう言った。






私の視線がネックレスから時計へとずれた。






「ぬぁぁぁあ!!!じじじ、11時!?」





私は乱暴にドアを開ける。





「お母さんありがとう!行ってきまーす!!」





もうすっかり見慣れた街を、早歩きで歩く。





改札を通って、電車に乗って。





待ち合わせのカフェがある駅に着くと、私はすぐに歩き始めた。





ふと腕時計を見ると、長針は4を指していて。





私は急いでカフェに向かった。