貴也は、しばらく返事をしない。 「………………」 「…………………貴也?」 また、ぎゅ、と手が握られる。 「俺が、お前を忘れない。 絶対に忘れないし、忘れられない。 大丈夫だ。みんな、お前を大好きなんだ。 そう簡単に、忘れたりしない」 貴也の声は、安心する。 この人が言うなら。 私は、安心できる。 「…………うん。………………うん………!」 私は再び、眠りの世界へと落ちていった。