「………理、灯理!」 「……あ、ごめん」 我に返って振り返ると、 ゆうちゃんが困った顔で笑っていた。 「学校来ちゃダメって、言ったじゃん」 「…………だってさぁ」 ゆうちゃんがふう、とため息をついた音がして、ちょっとだけ、後悔する ……けど。 「ありがとう、灯理」 俺の頭の上に、ひんやりとした冷たい手の感触がして。 なでなでと、俺の頭を優しく撫でる。 大好きな、ゆうちゃんの手。