「もうここまで来れば誰もいないから」



恋人か?

わざと人気のない所に二人で来たってこと?



(…………俺、いるけどいいのかな
やっぱり覗き見はダメだよな)


そう思ってこっそり行こうと思ったとき。





「もう大丈夫、結灯」





………………え?



俺はもう一度隠れる姿勢を取って、
こっそりと声のする方を覗く。




「…………」



結灯は、男に抱き締められていた。

結灯も、男に腕を回して。



「……本当に、誰も、いない?」

「……いない。大丈夫だから」


「……嘘は、つかないでね」

「俺は嘘ついたことないでしょ」


「……うん、………ない、ね」

「でしょ?」



結灯は、人がいないかかなり気にしてる。