あたしはすぐに廊下へと出た。



そこいたのは……



「明美？」



廊下に手をついて座り込む明美の姿が目に入る。



あたしの声でこちらを向いた明美の唇は切れていて、髪もぐちゃぐちゃに……



「何やってんだよ？」



あたしは明美の前に立つ女を睨み付けた。



「やべっ。行くぞ」



女たちは逃げるようにその場を去っていく。



「許さないからな」と明美に言い残して……



「明美。何があったんだよ？」



あたしは明美の側に駆け寄り、腕を掴んで立ち上がらせようとした。



「触るんじゃねぇよ」



明美はあたしを睨み付け、手を振りほどく。



見たことのない明美の姿にあたしは言葉が出てこない。



ハハッ



あたしの足震えてるし。



廊下に座り込む明美の姿を見た瞬間にあたしの足は震え始めていた。



自分で起き上がり、フラつきながら去っていく明美にあたしは何も言えない。