HEAVEN ROAD

あたしはこの場所に、もう立っていることさえ出来なくなり、一歩一歩足を後ろに進めた。



そして、ドアノブをひねり勢い良く飛び出した。



その勢いのせいか、涙が次々に溢れてくる。



走っているからわからないけど、もしかしたら鼻水なんかも垂れているかもしれない。



無我夢中で走って、乱れる呼吸に吐き気を感じたところでやっと足を止めた。



膝に手を乗せ、なんとか呼吸を整える。



喉がカラカラだ。



涙を拭いながらゆっくりと顔をあげると……



「ここどこだよ?」



自分の居場所がわからないことに気付き、一瞬にして涙は乾いていった。



引っ越してきたばかりで土地勘のないとはいえ、高校生にして迷子……



違う意味で涙が出そうだし。



いくら辺りを見回しても、見覚えのあるものは何一つとしてない。



「あっ!!」



10メートルくらい先にある煙草屋の隣に公衆電話が置かれてある。



あたしは制服のポケットの中に手を突っ込んだ。



カバンは車の中に置きっぱなしだから、お財布を持っていない。



神様、どうか10円がありますように……



「あった!!」



スカートのポケットに10円玉が一枚。



今日のあたしついてるかも。