学校へ着くなり屋上へ行ってみたけど、豊の姿がない。



何かあったのかもしれないと思い、2年生の教室へと行ってみた。



何組なのかわかんねぇし……



あたしは豊が何組なのか聞いていなかった。



毎朝迎えにくるし、帰りは送ってくれるし、知る必要がなかった。



けど、聞いておけば良かったと今更後悔する。



見知らぬ奴が歩いているもんだから、ジロジロと視線が刺さる。



あーやっぱりやめようかな。



「カナちゃん?だった?」



あたしに集中する視線に耐えられなくて、豊の教室を探すのを諦めようとした時、後ろから名前を呼ばれた。



振り返るとそこには知らない男が立っている。



屋上で顔くらいはみたことがあるかもしれない。