駆けた世界の征服録


練習時とはまるで違った前衛的な伴奏だった。
彼は感情的に身体を大きく揺さぶって荒ぶる音符の波。
僕はその渦に乗っかってステージ中を駆け回る。



大人たちは口々に言った。
「なんだ 歌わないのか黒慧村のやつ」
「白乘村の男 耳が聞こえないそうじゃないか」
見え見えの言葉。

「素晴らしいですねぇ」
「画期的だ、革命ですねぇ」
うっすい賞賛。



彼は綺麗だ。
この音は綺麗だ。



大人たちは汚い
この世界は………………