二人の彼~年下の彼と見合い相手の彼 ~

工場の人と別れて酔いの回った私は、すっかりいい気分になっていた。

「もう、ひどいよ。荻野君、全然助けてくれないんだもん。私ばっかり飲まされちゃった」

アルコールの力を借りた方が、普段、言えないことも言える。

「俺が無理に飲ませたわけじゃないよ。でもまあ、葉子の性格わかってるから、飲ませたも同然だけど」

荻野君が大胆に肩に腕を回しても、気にならないのも酔ってるからだろう。

観光客に紛れて二人で写真を撮ったり、道頓堀の周りを一回りした。

そのころには、時々彼が向けてくる真剣な眼差しも、人を避ける際に必要以上に私の体を、きつく抱きしめるのも、拒んだりせず彼のしたいようにさせていた。

「そろそろホテルに戻ろうか」

「うん」