洞窟に近付くにつれ雨がひどくなる。
それは桔梗が私達の近くにいることを物語っていた。


(何だろう‥‥凄く胸騒ぎがする‥)


中に入ったら、奏が危ない目にあう気がしてならない。



「ね、ねえ‥‥やっぱり止めよ?」

「今更怖気づいたか?」

「ち、違うけど‥」



怖いとかそんな感情じゃない。
何か、胸の奥がぎゅーって。
緊張みたいなドキドキ感なんだけど、緊張とはまだ別っていうか。


平気で洞窟の中へ歩いて行く奏に必死に付いて行った。