瞬間、脳裏に大きな湖が過ぎった。 底が見えるほど透明で清らかな水で人が立ち入る事が出来ない。 そんな雰囲気の湖だった。 「奏!どこ行ってたの?」 「水鏡湖(すいきょうこ)。手がかりが掴めるかも知れないと過去を覗いて見たが無駄だった」 水鏡湖‥‥。 水は古くから清めるもの、写すもの、いろいろと意味があった。 鏡も似たような意味。 水と鏡は似た意味合いがある。 私の脳裏に過ぎった湖は水鏡湖なのかな。 「行きたいか?」 「うん、行ってみたい」 奏の目を見て私は頷いた。