「朱鳥ー、準備できたー?」

「うん!」

今は午後1時。

退院できることになって、楓摩は仕事があるから、私は今から楓摩に家まで送ってもらう事になった。

つい、昨日の事なのに、すごく前の事のように感じる。

だからなのか、とても気分がワクワクする。

「朱鳥が嬉しそうでよかった、俺も朱鳥の笑顔見れて嬉しいなー!」

横を見ると、楓摩も満面の笑みを浮かべている。

このまま、ずっとこの、なんてことない時間が続けばいいのに……

ふと、そう思った。

「朱鳥、着いたよー」

「うん、なんか、寂しいね…」

「ごめんね、俺、今日はできるだけ早く帰るからさ。それまで、家でくつろいでいなよ。」

「そうだね!そうする。ありがと、楓摩!お仕事、頑張ってね!」

「うん!頑張ってくる!」

そういって、手を振ってから楓摩は車に乗り込み行ってしまった。