コンコンッ

ガラッ

病室に入ると、すすり泣くような声が聞こえた。

朱鳥は、俺のがいることも気づかずに、布団にもぐり体を震わせて泣いているようだ。

そっと声をかける。

「……朱鳥。お布団に潜ってたら、息、苦しくなっちゃうよ?」

朱鳥は、俺がいたのにビックリしたのか、体をビクッと震わせた。

そのまま、俺は朱鳥の布団を少しだけめくる。

「朱鳥。俺、朱鳥のカワイイ顔が見たいな。だから、お顔出して?」

そういうと、朱鳥は布団から、顔の所だけを出した。

そうとう、泣いていたのか目が赤く腫れている。

「朱鳥、こっちにおいで?ギュッってしよ?」

コクッ

朱鳥は、頷くと、俺の方に手を伸ばしてきた。

朱鳥を持ち上げて、俺と向かい合うように、俺の膝の上に座らせる。

そのまま、俺はギュッと朱鳥を抱きしめ、しばらく動かなかった。