「じゃあ、楽しんでこいよー!くれぐれも、無理だけはしないことー!」

「はーい!」

楓摩と、駅で別れたあと私は歩いて学校へ向かった。

校門に入る前、久しぶりに来たせいか、少しだけ緊張する。

でも、教室に入ったら、友達と会える!

そう思うと、どんどん足が進んだ。

ガラッ

久しぶりに入る教室。

えっと……私の席は…

うちの学校は、休み明けに席替えがされているから、わざわざ席を見に行かなくちゃならない。

「朱鳥だー!おっはよー!!」

教室を見渡していると、親友の楠 茉夢(くすのき まゆ)が後から飛びついてきた。

「わぁ!茉夢だ!久しぶり!」

「こっちこそ!久しぶりだねっ!朱鳥!元気だった?」

ニコニコの笑顔で聞いてくる茉夢。

まぁ、冬休み中だったから誰も私が入院してた事なんて知らない訳で……

「まぁ、元気……では、なかったけど(苦笑)」

「えー!大丈夫だった!?」

「とりあえず、今の所は大丈夫だよ!」

今のところは、大丈夫。

でも、もうすぐしたら、また入院する事になるのかな……

「朱鳥ー、大丈夫?元気なさそうっていうか……具合悪そうだから……」

「だ、大丈夫だよっ!今日は、ちょっと風邪ひいてるだけ!あとは、元気!」

とっさに出てきた嘘で、その場をごまかす。

茉夢には、まだ心配かけられないよ……

「そっか!なら、良かった!」

できるだけ、友達には心配はかけたくない。

いずれ、バレる時が来るとしても、今はそっちの方が自分も気が楽だから。