「……すか!!朱鳥!!」

大きな声で、また目が覚めた。

体がビクッと反応し、小刻みに震える。

反射的に布団に隠れて、身を丸くした。

「朱鳥、大丈夫?どうした?」

この声は、楓摩。

楓摩なら、大丈夫。

……でも、大丈夫だとわかっていても、ダメだ。

体が震えて、言うことを聞かない。

さっきの夢のせいもあって、若干、過呼吸気味で涙も出る。

「朱鳥ー、楓摩だよ?大丈夫だよ。怖くないよ?」

………わかってる。

…けど………………

「朱鳥、怖い?…怖いなら手だけでも出せないかな?落ち着くまで、手、繋いでよ?」

そう言われたので、少しだけ楓摩の方に手を出した。

すると、少しして暖かい熱が伝わってきた。

「朱鳥、大丈夫だよ。怖くない。だから、ゆっくりでいいから落ち着こう?」

そう言って、手を少しだけ強く握ってくれた。

私は、その後、落ち着くまで30分以上かかった。

楓摩は、その間、ずっと私の傍に居てくれた。