私が予想していた通り、治療はその3日後から始まった。

この前よりは、弱めの薬らしいけど、それでも免疫力が落ちちゃうから…とかで無菌室でする事になった。

また無菌室……

楓摩に触れられない日々がまた始まる。

いつもは、私が悪夢に魘されている時、ギュッてしてくれたり、手を繋いで慰めてくれたけど、それも出来ない1週間。

私、大丈夫かな……

心が持たない気がする。

でも、そんな弱気に考えててもダメだよね……

今は、病気を治すことを優先して考えなきゃ…

自分の腕に繋がる点滴を眺めた。

毒々しいオレンジ色。

これが、私の中にある白血病細胞を倒してくれるんだよね…

これがないと、私、死んじゃうんだよね……

「はぁ……」

大きく溜息をついてから、ゴロンと寝返りを打って、点滴に背を向ける。

こんな事考えてること自体が嫌になってきた。

もう、寝よ。

私は、嫌な事から目を背けるようにギュッと目を瞑り、布団を頭まで被った。