「朱鳥、ご飯作ったけど食べれる?」

そう聞くと、朱鳥は静かに首を横に振った。

「わかった。じゃあ、俺、用意してくるから今日はそのまま病院行こうね。」

そう言って朱鳥の頭を撫でる。

朱鳥はグッタリとしていて辛そうだ。

早く、元気にしてあげたいな。

そう思いながら、身支度を整え、荷物を持って朱鳥の元へ向かった。

ソファで横になっている朱鳥を抱きかかえ、そのまま家を出て車に乗る。

後ろだと様子が見えなくて心配だから、助手席を最大まで倒し、そこに朱鳥を寝かせた。

家にあった冷えピタを貼って、毛布をかけてあげる。

それでも、まだ苦しそうに目を瞑っていた。

できるだけ早いスピードで病院へ向かう。

時刻は、まだ6:30。

この時間なら、外来の患者さんもいないし、入院してる患者さんもほとんどが寝ているだろう。

だから、きっと早く処置をしてあげられる。

朱鳥を早く楽にしてやれる。