2時間目、3時間目は1時間目の出来事が嘘のように何事も無かった。

でも、問題は4時間目。

4時間目の授業は体育。

私は、見学する事になっていたけど、他の人はどう思うかな……

今日は、晴れていたので外での授業。

私は、先生に言って木陰の方で座って見学をしていた。

すると、もう1人クラスの女の子が私の隣に座った。

「こんにちは」

「こ、こんにちは」

今まで話した事のない人だったから、少しだけ戸惑う。

「んーと、前苑さんだっけ?」

「…はい」

「ねぇ、前苑さんは、どうして今まで学校休んでたの?」

いきなりの直球。

でも、これでズル休みじゃないって、わかってもらえるなら……

「……私、病気で…入院…………してたんです。」

「入院!?アハハ、なんだそんな事。」

そんな事って…………

「でも、もう治ったんでしょ?なら、大丈夫じゃない。なのに、体育は出れないの?」

「……治って…ません」

「は?なら、なんで学校来てんのよ」

「…入院中の一時帰宅です。」

「なにそれ、意味わかんない。でも、帰宅出来るってことは元気なんじゃないの?それに、朝だって元気そうに男の人と話してたじゃない。」

「それはっ……」

楓摩は、関係ない。

そう言いたかったけど、私は口をつぐんだ。

「それに、入院してたんなら、その間も勉強しようと思えば出来るはずよね?それで、あの簡単な問題も解けないの?」

「………………」

そう言われると、勉強もしようと思えば出来たのかもしれない。

「なに?図星?やっぱりズル休みじゃない。」

「ズル休みじゃないですっ!!」

勉強をしなかったのは自分が悪いかもしれない。

だけど、ズル休みじゃないもん……

「はぁ?アンタが休んでる間、みんなは頑張って勉強してるのよ?嫌でも頑張ってやってるの。ここは進学校だから、そうでもしないと生き残れない。みんな必死なのよ!?なのに、なんでアンタは休んでばっかりの癖に生き残ってるの?意味わかんない!!」

「………………」

私が黙ったままでいると、その子はプイッとどこかに行ってしまった。

悔しかった。

私だって、好きで入院してる訳じゃないのに。

学校だって、行きたくても行けないのに。

私が、これから人1倍勉強しないと行けないのはわかってる。

だけど……

入院してた事を"そんなこと"の一言で済まさないで欲しかった。

"ズル休み"って言わないで欲しかった。

私だって、みんなみたいに健康でいたかった…