楓摩に寝てていいと言われたので、体も怠かったし寝てる事にした。

でも、なかなか寝付けない。

抗がん剤の副作用のせいで気持ち悪いし、2日間も寝てたから眠れない。

でも、何かをする事も、する気力も起きなかったので、しばらくベッドでゴロゴロしていた。

すると、そのうち眠たくなってきて私は眠ってしまった。



















息苦しさで目が覚めた。

酸素マスクが取れて、床に落ちている。

それを取ろうと起き上がった時、咳が出てきた。

「ゴホッ…ゲホッゴホッ!!」

だんだん咳は酷くなっていき、止まらなくなってきた。

ナースコールを押して、楓摩を呼ぼうとする。

"はい、どうしました?"

「ゲホッゴホッ…せ……きが…ゲホッゲホッ」

"すぐ、先生呼びますねー"

3分くらい経ってドアがノックされた。

コンコンッ

ガラッ

「朱鳥ちゃん、喘息でちゃった?」

そう言って、入ってきたのは確か、瀬川先生?

楓摩じゃなかった……

「ゲホッゴホッ…楓摩……は?」

「ごめんね、清水先輩、今手が離せないから俺が来たんだ。まず、落ち着こう。落ち着いて深呼吸して。」

「…ゲホッ!!………ゴホッゲホッ」

落ち着いて深呼吸できたら呼ばないよ……

「吸入持ってきたから、吸ってみて?」

コクン

瀬川先生から吸入を受け取って、吸う。

「スー…ゲホッゴホッ……はぁっ…はぁっ…………」

上手く吸えない。

「朱鳥ちゃん、ゆっくりでいいから吸えないかな?」

「ゲホッゴホッ…む…………り…ゴホッ」

「んーと、じゃあ、えっと……なんだっけ…そ、そうだ発作止め!!えっと、発作止め取ってくるからちょっと待ってて!!」

そう言って、瀬川先生は病室を出ていこうとする。

すると

ガラッ

「朱鳥ー、大丈夫?遅くなってごめんねー、発作止め持ってきたからねー」

楓摩……

「朱鳥、焦らなくていいからね。ちょっとチクってするよー」

発作止めの注射を打たれ、酸素マスクを付けられる。

「朱鳥、もう大丈夫だよ。落ち着いて。」

だんだん、咳が止まってきて楽になってくる。

「清水先輩……」

「あ、ごめんね、瀬川くん。俺の代わりに来てくれてありがとね。」

「いや、でも俺…何も…………」

「ううん。朱鳥も誰かが居ただけでだいぶ落ち着けたと思うしね。ね?朱鳥」

コクン

喘息は、全然良くならなかったけど、落ち着けたのは間違いない。

でも、楓摩のお陰で治ったし、ま、いっか。

瀬川先生も、私の為に頑張ってくれてたしね。