長い長い夢を見た。

私は、なぜか川のほとりに立っていた。

あれ…、私どうしたんだっけ?

その川には、橋がかかっていて、そこを何人もの人が通っていった。

…………私、死んだの?

てことは、ここは三途の川…?

すると…

”朱鳥ちゃん、頑張れー!まだ、死んじゃダメだよ!”

そんな声が聞こえた。

あれ?

私、まだ死んでないの?

どこ?

その声を頼りに、川から遠ざかる。

すると、どこか暗い所に出た。

物も光もない場所。

すると、また声が聞こえた。

”朱鳥、ごめん……ごめんな…………”

その日から、私はそこを歩き続けた。

毎日、聞こえてくる声。

誰の声だろう?

聞いたことある声なのに、なぜか、思い出せない。

”朱鳥…起きてよ………”

そんな声も毎日のように聞こえてくる。

ときどき、すすり泣くような声も聞こえてきた。

”朱鳥っ!!”

ずっと、誰かに名前を呼ばれる。

私、行かなきゃ。

そう思い、その声の元へと歩き始める。

”朱鳥、起きてっ!”

わかってるよ…

私だって、起きたいんだから……

ふと、手に温かみを感じた。

反射的に手をギュッと握る。

すると、いつもよりも大きい声が聞こえた。

あと、もうちょっと……

そのまま、歩き続けたある日

ん?あれは……?

どこからか、手が出ていた。

なんだろう?

不思議に思いながら、その手を掴む。

すると…

「うわあっ!」

急にその手に引っ張られた。

そのまま、手を引かれ、走り出す。

すると、だんだん暗闇が明るくなってきた。

これで、この暗闇から出られる?

少しの期待を抱いて、私は走り続けた。